STEP.01 初回評価・診療
心臓リハビリテーションを開始するにあたって、最も重要となるのが「現在の心臓の状態や身体能力を正しく把握すること」です。初回のご来院時には、まず循環器専門医による詳細な診療と評価が行われます。
以下に心不全の患者さんを対象とした具体的な心臓リハビリテーションの流れを説明します。
- 問診と身体診察
これまでの病歴や手術の経緯、現在感じている息切れ、動悸、むくみなどの症状を詳しく伺います。 - 精密検査の実施
運動負荷心電図検査により安全な負荷量を評価したり、心エコー検査を用いて心臓の動きや弁の状態をリアルタイムに評価し、レントゲンや心電図、血液検査(BNP検査など)を組み合わせて多角的に心機能を分析します。 - リスクの階層化
検査結果に基づき、運動中に不整脈や心不全の増悪が起こるリスクがどの程度あるかを専門医が判断します。 - リハビリ適応の確認
心疾患の病態だけでなく、整形外科的な問題や認知機能の有無なども含め、当院での通院リハビリが最適であるかを総合的に検討します。このステップにより、心臓に過度な負担をかけず、かつ効果が期待できる「安全な運動の範囲」のベースラインを決定します。

STEP.02 検査結果に基づく運動療法
初回の評価結果を受け、患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドのプログラムを構成します。
- 個別の運動強度設定
心機能や身体能力に合わせ、血圧や心拍数がどの程度まで上昇しても安全かを厳密に設定します。 - 多種多様な機材の活用
当院では大学病院や国立循環器病研究センターでの経験を活かし、必要最小限かつ効果的な医療用リハビリ機材を導入しています。 - バイタル・心電図モニタリング
運動中は常に心電図や血圧をモニタリングし、専門スタッフが心臓の反応をリアルタイムで監視します。 - 包括的な指導
運動と並行して、心臓リハビリテーション指導士などの専門職が、塩分制限などの食事療法や、日常生活での注意点について具体的なアドバイスを行います。

STEP.03 リハビリ開始から継続までの流れ
心臓リハビリテーションは継続することが何よりも重要です。当院では患者様が無理なく通い続けられるよう、以下の流れを大切にしています。
- 通院頻度の決定
一般的には週に1〜3回程度の頻度で通院いただき、1回あたり1時間程度のセッションを行います。 - チーム医療によるサポート医師、理学療法士、看護師、薬剤師などの多職種がワンチームとなり、日々の体調変化に寄り添います。
- できたことを褒めるコミュニケーション
長期にわたる療養生活ではモチベーションの維持が課題となりますが、当院では患者様が達成感を得られるよう、前向きな声掛けを重視しています。 - 外来ならではの利便性
広い駐車場や清潔感のある施設を整え、お車でも安心して通える環境を提供することで、退院後の生活にリハビリをスムーズに組み込めるよう配慮しています。

STEP.04 定期的な評価とプログラム調整
心臓の状態や身体能力は、リハビリの継続によって変化していきます。当院では、最初の設定を使い続けるのではなく、定期的な再評価を行い、常に「今の状態」に最適なプログラムへと更新します。
- 定期的な心機能チェック
数ヶ月に一度、身体能力評価、BNP検査や心エコーなどの再検査を行い、運動耐容能や心機能の改善度合いを確認します。 - 運動強度の段階的引き上げ
体力が向上し、心臓の安定性が確認できれば、安全を確保した上で少しずつ運動の負荷を高め、より高い身体機能を目指します。 - 増悪の兆しの早期発見
定期的な評価の場は、心不全が悪化する兆候(体重増加やむくみ、息切れの変化)を早期にキャッチする「検診」の役割も果たします。 - 長期的な疾患管理
150日というリハビリ期限を念頭に置きつつ、終了後も患者様がご自身で運動や食事管理を継続できるよう、自立に向けた最終的なアドバイスを行います。
このように「評価・実施・再評価」のサイクルを回し続けることで、心不全による再入院を徹底的に防ぎ、患者様が住み慣れた地域で自分らしく、元気に活動し続けられる未来をサポートいたします。
