たかしお内科ハートクリニック

心不全の非薬物治療

心不全の非薬物治療

心臓リハビリ(息切れ改善+再入院減)

心不全の非薬物治療において、最も強力で効果的な治療のひとつが「心臓リハビリテーション」です。

心臓リハビリ(息切れ改善+再入院減)

身体機能の回復と息切れの軽減

循環器専門医が作成する「運動処方箋」に基づき、理学療法士などの専門スタッフの監視下で安全に運動を行います。これにより、筋肉の酸素利用効率が高まり、日常生活での息切れやだるさが目に見えて改善します。

再入院率の抑制

心臓リハビリを継続している患者様は、そうでない方に比べて心不全による再入院率が大幅に低くなることがエビデンスとして示されています。

疾患管理の場としての役割

リハビリの時間は、単に体を動かすだけでなく、医療スタッフが毎回「むくみ・血圧・体重」をチェックする貴重な機会です。これにより、自覚症状が出る前の「増悪の兆し」を早期に発見し、入院を未然に防ぐことができます。

デバイス治療(ICD/CRTとは)

薬物療法を十分に受けていても、心不全の症状が残る場合や、特定の不整脈のリスクが高い場合には、心臓内にデバイス(医療機器)を植え込む治療が検討されます。

ICD(植え込み型除細動器)

心不全患者様は、命に関わる危険な不整脈(心室頻拍や心室細動)を起こしやすい状態にあります。ICDは心臓の動きを24時間監視し、致死的な不整脈を感知した瞬間に電気ショックを与えて、突然死を防ぐ役割を果たします。

CRT(心臓再同期療法)

心不全が進行すると、心臓の左右の壁がバラバラのタイミングで動く「収縮のズレ」が生じることがあります。CRTは両方の心室に電気刺激を送り、収縮のタイミングを揃えることで、心臓のポンプ効率を劇的に改善させる治療です。

当院での管理

当院ではこれらの高度なデバイスの定期的な点検(デバイスクリニック)も行っており、適切な作動を専門的に管理しています。

弁膜症・虚血への治療(PCI/TAVI)

心不全の根本的な原因が「血管の詰まり」や「弁の不具合」である場合、それらを物理的に修復する介入治療が必要となります。

弁膜症・虚血への治療(PCI/TAVI)

PCI(経皮的冠動脈インターベンション)/CABG(冠動脈バイパス手術)<

心筋梗塞や狭心症が原因で心不全になっている場合、カテーテルを用いて血管を広げる治療(PCI)を行い、心筋への血流を回復させます。病変が複雑な場合や同時に弁膜症の手術が必要な場合には冠動脈バイパス手術(CABG)を行います。

弁膜症への治療

「僧帽弁」という左心房と左心室の間にある弁の逆流(僧帽弁閉鎖不全症)に対しては弁形成術や置換術、症例によってはMitraclipというカテーテル治療が適応になります。心臓の出口にある「大動脈弁」が硬くなって開かなくなる「大動脈弁狭窄症」に対し、弁置換術や高齢者に対して波経皮的大動脈弁置換術(TAVI)という胸を切らずにカテーテルで新しい弁を置く治療によって症状改善が期待できます。

専門施設との連携

高度な手術が必要な場合は、適切なタイミングで高次医療機関へご紹介し、術後の管理(心臓リハビリなど)は再び当院で継続するという、地域連携を大切にしています。

栄養・心理・社会支援

栄養管理

心不全の悪化を防ぐ「減塩」だけでなく、高齢者に多い「低栄養(フレイル)」への対策も重要です。管理栄養士と連携し、心臓に負担をかけず、かつ活力を維持するための食事指導を行います。

心理的サポート

心不全という慢性の病気と向き合う中で、不安や抑うつを抱える方は少なくありません。当院では患者様の話を丁寧に伺い、精神的な安心感を提供することで、治療意欲(アドヒアランス)の維持を図ります。

社会支援と多職種連携

ケアマネジャーや訪問看護と連携し、自宅での生活環境を整える「社会支援」も治療の大切な一部です。介護保険の活用や服薬管理の工夫など、医療・介護の垣根を越えて、患者様が住み慣れた地域で安心して暮らせるようサポートします。